ユーザー管理に気をつけろ!Googleアナリティクスの権限の落とし穴
WEB担当者ならGoogleアナリティクスを見たり編集したりできる権限を他の人に付与することが、1度はあるかと思います。
実はGoogleアナリティクスの権限を付与する際に、トラブルは起こりやすいという事をご存じでしょうか?
そこで今回は、Googleアナリティクスのユーザー管理について、特に間違えやすいアカウントとプロパティとビューの部分を中心にご紹介していきます。
また、実際に僕自身が関わったトラブルに関してもお伝えしていきますので、この記事を参考に見直してみてください。
ユーザー管理について
Googleアナリティクスのユーザー管理で付与できる権限には以下のようなものがあります。
- 編集
- 共有設定
- 表示と分析
- ユーザー管理
権限の強さを図にすると以下のようになります。
編集
編集権限を付与すると、Googleアナリティクスの管理やレポートに関する設定などを行うことができます。
具体的にはアカウントやプロパティ、ビュー、フィルタ、目標などの追加や編集、削除などが可能になります。
編集権限を付与された場合、基本的には設定部分を好きに変更・更新する事ができますが、ユーザーの管理を行うことはできません。
共有設定
共有設定権限を付与すると、アセットの作成、編集、削除、共有を行うことができる他、共有アセットを共同編集することができます。
共有アセットには以下のようなものが含まれます。
- アトリビューションモデル
- チャネルグループ
- コンバージョンセグメント
- カスタムレポート
- ダッシュボード
- 分割
- 非サンプリングレポート
共有設定権限は、編集権限と比べ少し弱い権限となっております。
表示と分析
表示と分析権限を付与すると、設定の変更などを行うことができず、レポートを表示するだけの権限になります。
この権限が一番弱い権限となっており、設定をいじる必要のない人に付与することが多いです。
ユーザー管理
ユーザー管理権限を付与することで、Googleアナリティクスに様々な権限を与えることができる人を設定できます。
ユーザー管理権限自体はGoogleアナリティクスを編集する権限はついておらず、単純にどのユーザーがGoogleアナリティクスを見られるようになるかを設定できる、というような権限となっております。
上記でご紹介した4つの権限が、「アカウント」「プロパティ」「ビュー」のそれぞれで設定することができます。
ユーザー管理で実際に起こったトラブル
実際に僕が体験したトラブルには以下のようなものがあります。
- 全員で同じIDとパスワードでGoogleアナリティクスにログインしていた
- 代理店に付与する権限を間違えてしまったため、設定を変えられてしまった
- Googleアナリティクスをよく理解していない社員に「編集」権限を付与していた
一つずつご紹介していきます。
全員で同じIDとパスワードでGoogleアナリティクスにログインしていた
Googleアナリティクスにログインするために、会社全体で一つのGoogleアカウントを使いまわしていたというケースがありました。
全員が同じGoogleアカウントでログインできるため、IDとパスワードの管理は楽ではありましたが、IDとパスワードを知っている写真が辞めた後もパスワードを更新していなかったため、いつの間にか変更を加えられているということがありました。
社員が辞めてしまった段階でパスワードの変更を行わなかった部分に関しては、Googleアナリティクスに限らずどのツールでも同じようなことが起こる可能性もあるため、悪い部分ではあります。
しかし、Googleアナリティクス上で、例えばビューが一つ消去されてしまったり、目標やフィルタに変更を加えられてしまうと、気付くまでに時間がかかり、その間計測が正しく行えないという可能性もあるトラブルでした。
代理店に付与する権限を間違えてしまったため、設定を変えられてしまった
広告代理店にGoogleアナリティクスを共有する際に、担当者が「表示と分析」権限ではなく、「編集」権限を付与してしまった為に、Googleアナリティクスの設定が変更されてしまったというトラブルがありました。
これは代理店側に付与する権限を間違えてしまった為に起きたトラブルであり、例えば、権限を付与する際に、どの権限を与えるのか・権限を与えようとしている相手はどのレベルの作業をしたいのか、という部分を確認しておくべきでした。
担当者の確認ミスではありますが、このようなトラブルもありました。
Googleアナリティクスを良く理解していない社員に「編集」権限を付与していた
Googleアナリティクスをよく理解していない新人担当者に「編集」権限を付与していたために、新人担当者が設定を変更し、その結果正しい計測ができていなかったというトラブルがあります。
設定を変えた新人担当者は悪気があったわけではなく、実際、自分で考えたのちに行動を起こしたのですが、目標の変更がされていたため、数値に変化があり、トラブルになってしまったというものがあります。
こちらも、権限を付与する相手がどのような事をしたいのか、させるべきなのかを考え、例えば「表示と分析」権限を付与して入ればトラブルを未然に防ぐことができました。
このように、「ユーザー管理」周辺ではトラブルが起きることが多々ありますので、Googleアナリティクスを共有する際には、注意が必要になります。
ユーザー管理でトラブルを起こさないために
ユーザー管理でトラブルを起こさないためには、以下をしっかりと理解しておく必要があります。
- Googleアナリティクスの階層を理解する
- どの権限で何ができるのを理解する
Googleアナリティクスの階層を理解する
トラブルを未然に防ぐために、まずは「アカウント」「プロパティ」「ビュー」の関係を理解する必要があります。
上記の図のように、Googleアナリティクスは一番大きな階層として「アカウント」があり、その下に「プロパティ」、そしてその中に「ビュー」と、それぞれ階層があります。
実はこの階層を理解しておらずトラブルが起きてしまう場合が多く、例えばビューのみの編集権限を与えるはずだったのが、アカウントの管理権限を渡してしまった為、他のプロパティやビューなども見えてしまっている、というケースもあります。
アカウント単位でユーザーを追加していますと、アカウントに紐づいているプロパティやビューの全てを見ることができてしまうため、情報漏洩のトラブルの発生源になってしまい兼ねません。
その為、権限を付与する際に、どのレベルで情報を見せたいのかによって、権限を付与する階層も変わりますので、実際に権限を付与する際は、以下の参考にしてみてください。
どの権限で何ができるかを理解する
ユーザー管理にて権限を付与する際に、これから権限を付与するユーザーはどの程度の作業をGoogleアナリティクスで行うのかを確認しておきましょう。
例えば、レポートを見るだけのクライアントであれば、Googleアナリティクスの編集権限は必要ありませんので、「表示と分析」権限だけで問題ありませんよね。
逆に、普段からGoogleアナリティクスを使いこんでいて、しっかり分析を行いたいという人の場合、「表示と分析」権限のみではフィルタや目標の設定が行えませんので、そういった場合は「編集」の権限を付与してあげるのが良いでしょう。
ただし、注意点として、上の階層で権限を渡してしまうと、下の階層にも同じ権限が付与されることになります。
親階層の権限はデフォルトで下の階層に引き継がれます(アカウント > プロパティ > ビュー)。たとえば、アカウント レベルでユーザーに権限を設定すると、そのユーザーはそのアカウントのすべてのプロパティとビューについて同じ権限を持つことになります。
つまり、アカウント単位で編集権限を付与してしまうと、プロパティやビューにも編集権限が付与されることになります。
その為、権限があっていても階層を間違えてしまうと、他のプロパティやビューまで編集できてしまうという可能性もありますので、注意が必要です。
まとめ
今回この記事でご紹介したことをまとめると以下のようになります。
- Googleアナリティクスには3つの階層と4つの権限がある
- ユーザー管理ではトラブルが起きやすいポイントがある
- 階層と権限を理解しトラブルを防ごう
安易に権限を付与したり、全員で同じGoogleアカウントでログインしていたりと、ユーザー管理をおろそかにしてしまうと、トラブルの種となってしまいます。
ですので、今回ご紹介した内容を参考に、ユーザー管理を一度見直してみていかがでしょうか?